PTSD 外傷後ストレス障害
体験談 交通事故のケース
第三章 精神神経科治療とその経緯
●第三章 精神神経科治療とその経緯
精神神経科は1995年9月上旬より受診。初診と2診の医師は単なる神経症と判断し抗不安剤の投与をする。
しかし全く効果なし。そもそも神経症という病名を付けること自体おかしい。
初診の医師には、「あなたは、病気の類ではないが大変辛そうに見えますよ。」と言われた。
人を見るだけではなく状態も診ていただきたいものである。
2診の医師には「助けてあげたいけど、自分で何とかするものです。抜け道を自分で探しなさい。
さもないと堂々巡りです。何かあったらまた来なさい。」と言われ、食事が摂れず酷い疲労感があると言うと
抗不安剤に加えビタミン剤を投与してきた。
自分で何とかできたら医者にはかかりませんが?。(医師医療疑念を抱いた。)
こういう不適切な診断と言動が、ドクターショッピングを繰り返させるのだ。
医師の人間的態度を再訓練したほうが良いのではないか。
「これでは治らない。」と思い主治医を替えることにした。
3人目の医師からは適切な治療と投薬を受ける。投薬の種類はドグマチール(スルピリド・抗うつ剤)、アナフラニール(抗うつ剤)、レンドルミン(催眠導入剤)である。
投薬は1995年9月下旬開始。
うつ病に良く似た症状のため、うつ病を疑ったが、当時の主治医には「うつ病ではないし、まして統合失調症
(当時は精神分裂病)でもありません。精神病などではありませんよ。大丈夫です。」といわれ
「軽い抑鬱状態であって、病気とは言えませんね。」と付け加えられた。この言葉はなぜかしら強い安心感をもたらした。
自分なりに自分の症状について研究を始める。
メディカルサイエンスインターナショナル発刊 精神科治療マニュアル購入、図書館にて情報収集。
転院先の病院は月曜日から金曜日の午前中のみの診察時間のため、このまま通院すると欠勤扱いになるため再度転院を
希望する。病院の当時の3人目の主治医は私の転院を凄く残念そうに思っていたようでした。
その節は大変よくして頂きました。今では感謝しております。
1996年1月6日より再度大学病院に転院。
再度転院した大学病院は、厚生労働省より高度先進医療病院と指定されかつ精神医療にも定評がある。
また大手パソコン通信にて医師からアドバイスをうける。今では考えられないことである。
たかが通信されど通信である。現在のようにネットが発達すると相談メールも増えるであろう。
当節は、あまり相談メールの数が少なかったせいか、それは丁寧にアドバイスを頂いた。
私の幼年期から現在までの成長過程につき、出来るだけ詳しく書くように言われ、その診断結果を年始早々
返答してくれた。なぜ幼少期の事をわざわざ聞くのか、当節はわからなかったが今は理解できる。
大手パソコン通信とインターネット上の専門家(精神科医)のメール交換と主治医の診察により病名が判明する。
所謂、精神病つまり、統合失調症、双極性気分障害、うつ病、躁病などではなく
PTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断される。
適切な標準精神分析法や簡易精神療法や薬物療法(対症療法)により回復に向かう。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)の診断基準は、DSM-Ⅴ/医学書院を参照されたい。
現在の状況(2016年現在)
精神的状況
かなり回復した。投薬中の薬が効いているのか何なのか。時折気分変調をきたすときはあるものの
日常生活に支障の無いレベルになった。時折抑うつや不安感が襲うことがある。
できるだけ薬物を投与しないのが私の主治医の方針であり、私自身その考え方に賛同する。
しかし辛いときは、頼ってもいい。休んだっていい。
閑話休題、あの感覚は一体全体何だったのだ?。心理療法も併用した。後の章で述べる。
こうした症状になったことのある方はいらっしゃいませんか?。
どんな様な回復経過でしたか?。どれくらいで回復しましたか?。
サリン事件で被害に遭われた方々、阪神淡路大震災の罹災者の方々如何ですか?。
東北大震災の罹災者の方々のことが気になります。
専門家の方是非ともメールを下さい。宜しくお願いします。
患者の方は、一人の回復者の回復過程の例として参考としてください。
私は公的カウンセラーですが、臨床を専門に生業としているわけではありませんし、ネット上の性質もありますので
医療に直結するような事柄は一切お答えできません。したがって当事者の方のご質問にはお答えしかねます。
あしからずご了承ください。
なお、頂戴したメールの内容を公開することは一切しない。
他のサイトにおいて公開しているのを拝見したことがあるが、私は決して公開しないのでご安心願いたい。
§治療関係
治療関係を構築するのは、非常に大変なことである。いわゆるラポールである。
実のところ相談のメールの中で最も多いのは、良い医師を紹介してくれというものである。
何をして良い医師と言うのか定義が難しい。
研究成果が立派なのか、優秀な大学や経歴の持ち主であることか?。違う。
矢張り人間的に優れているという点がポイントであろう。
精神的ケアは単純に投薬をしてお終いではない。傾聴し精神療法も行わなくてはいけない。
中にはあまりのショックに状態を言語化できないクライアントもいる。如何に人間として接するかが大切である。
よい治療関係の構築が、治療効果に影響する。ではいかにして良い治療者を見つけるかである。
ある者にとっては、最良の治療者かもしれない。しかし他者に対しては強ちそうともいえない場合もある。
人間相性がある。こればかりは丹念に探すしかないとしか言えない。お見合いみたいだがあとは紹介である。
治療者とクライアントの関係において大いに注意すべき点は、外傷性転移と外傷性逆転移である。
外傷性転移反応は、通常の治療関係とは比べ物にならないくらい強力なものである。
ある程度の良性転移が無ければ治療関係は成立しない。よって転移現象は無くてはいけないと考えるが
これをクライアントが愛情と誤認する事態になる可能性がある。転移の動揺は心的外傷を負ったものならば
必ず起きうる。
それは心的外傷を負った心を、再構築する上において本人の意思とは関係なく生じるものである。
治療者はこれを良くわきまえ、心構えをもってクライアントと接することが必要である。
外傷性逆転移の問題も否めない。治療者も人間である。感情移入することもありうる。
PTSDの諸症状をクライアントに代わって体験することもありうる。
するとクライアントとと同じく人間関係の崩壊に苦しむ。
外傷性転移と外傷性逆転移も避けて通れない事象である。良い治療関係を発展させるため、治療者クライアント
双方の安全のために治療契約が必要であるし、治療者自身がスーパービジョンを受け、クライアントに個人的な
興味を絶対に持たず常に心理的に中立を守ること誓約せよ。